This so adorable...

日々起きること。

18歳の子に好かれたかもしれない話

いつもの職場の朝礼前は、思苦しい空気感と、節電のために電気がついていないことも相まって、暗い雰囲気なのだけれども。

 

この日は、「18歳なんだぁ!可愛いね!」という職場の女子たちの黄色い歓声が廊下まで響いていた。

課に行くと薄暗い中、一部人だかりができていた。どうやら、臨時で18歳の女の子が新しく課に配属になったらしい。

 

私の職場には、席の島が3つあって、それをA島、B島、C島とすると、私はB島。

18歳はA島。私と18歳は島が違うのです。

席について、ひとしきりデスクの準備をしながら、黄色い歓声を聞いていた。

私が18歳の頃は、こんな職場で働こうなんて考えたこともなかったけれども、今どきの子は変わってるなぁ。
容姿も気にはなったけれども、

わざわざ振り返ってあの人だかりに混ざって話をするのも、なんかなぁ~なんて思っていると、朝礼が始まった。

 

そしてその朝礼の最後に、課長が18歳を紹介するために、前に呼んだ。すると、18歳が私のすぐ横に来た。

顔を見ると、思わずお互い目が合った。

色が白く、小柄で、髪の毛がさらさら、大人びたまなざしに、雑な立ち方。
その目が合ったタイミングが、課長が18歳にちょうど挨拶を促したタイミングで、18歳は私と目が合って驚いたのか、挨拶のタイミングに詰まってしまった。
そして私から目をそらせると、勢いよく、

18:「お願いします!」

と言った。よろしく、もなく。お辞儀もせず、向こうの壁を見つめて。
可愛い顔をしているけれども、その雑加減が少し面白かった。A島は若い子を持って大変だな。

 

 

なんて思っていた5時間後、

18:「あのぉ」

そう声をかけられて、振り返ると18歳が私に声をかけてきた。
18:「これ、どうしたらいいのでしょうか」
18歳の持つ紙を見ると、人事関係の書類。

F:「あ、こういう事務所類はね、こっちの島でなくてA島で処理してるんだよ。でね、Oさんに聞けばすぐにわかるから。Oさーん」

と18歳の席のすぐ隣の人のとこに連れて行って(もどって)、

F:「はい、言ってごらん」

ともう一度言わせてみた。

 

そしてその数分後、
18:「あのぉ」

F:「ん?」

18:「この書類は誰にですか?」

見ると、窓口で受け取ったらしき書類。
F:「これはね、Wさん。これはUさん。席はね・・・一緒に行こうか」
と一緒に書類を配布し、
F:「これあげるから。業務名と担当者が書いてあるからね、窓口で受け取った書類の一番上には普通は業務のタイトルが書いてあるから。そのタイトルとこれを見て、担当者を探して渡すといいよ。で、さっきみたいに「これは〇〇さんの書類ですか?」って渡すときに聞くといいよ。もし席にいなかったら、ぽいっておいとけばいいから。例え違っても、みんな怒らないから大丈夫。で、業務がわからなかったら、いつでも聞きに来てね^^」
と言って帰した。

 

 

でもしかし、いったいなぜ島の違う私に聞きに来るのか。
だってA島の人とは、朝から「可愛いね」なんて言ってもらって可愛がってもらってたのに、なぜに私?
と、不思議で不思議で、少しぼーっとしていると、A島の後輩に

A:「Feelさん、18歳に好かれてますね」と言われた。
A:「知合いですか?」
F:「いや初めてだから、びっくりしているよ。なんでだろうね?ちょっとまた聞いといて、なんで私のとこに来るのか」
A:「了解です」

 

 

そしてこの話をあとでぽにょさんにしているときに、ふと、思い出したことがある。

 

この日は、私の隣の席の女性の後輩Sが、朝礼ギリギリに駆け込んで出勤してきたのだった。
珍しいなと思い、彼女の顔を見ると、下にうつむいてマスクをしている。

実はこの日、Sにとって仕事で1年間の中で一番大切な協議の日で、

この日のために彼女は数か月23時くらいまで毎晩仕事をしてきていたのだ。

 

そんな大切な日に風邪を引いたとは。そう思って、朝礼が終わったときに、

F:「風邪?」と聞いてみた。

他の男性職員も気になっていたようで、「大丈夫?あと少しだから頑張れ!」と声をかけてくれた。すると、

S:「いえ、実は寝坊してw」

F.男:「はぁ?w」

と、思わぬ答えに大きな声が出た。

S:「8:04分に起きました、今朝はよく眠れたんですw」

どうやら、朝礼の20分前に家で起きたらしい。

男性:「マスクは?」

S:「化粧する時間がなかったもので・・・」
F:「そっかw でも最近眠れないって言ってたから、良く寝れてよかったねw」

と、近場の職員4人で大爆笑。


この数日前、Sが泣きそうな声で
S:「ホッチキス止めを手伝ってもらえませんか」と私に言ってきたときがあった。

びっくりして、広く空いた作業ができるデスクに移動し手伝ってみると、16部。
1人でやっても、1分もかからない仕事量。
でも、
F:「よくこれだけ数字が入った資料を用意したね。」


と資料の話をしていると、彼女の口から泣きそうな声で愚痴が少しずつ出てきた。

愚痴の内容はしんどいとか、課長が動かないし、無理を言ってくるとか。他の課と間に挟まれるとか。
Sがしている仕事は、多くの人が絡んでいるので、1つの資料を作るのでも本当に大変だと思う。しかも、内容が数字だから、余計に。
その話をしているときに、最近眠れないんだといっていたのを思い出した。

 


話はもどり、
S:「マスクはやばいですかね?」
F:「いいんじゃない?病人に見えるから、柔らかい協議をしてもらえるかもよ」

と話をしていると課長がやってきた。

課:「Sさん、風邪ひいたの?」

 

早速、マスク効果を発揮する。

 

S:「いや・・その・・・」
でも正直なSは、病人にはならない。し、寝坊したことも課長には言いたくなさそうだ。そして私を見てきた。

F:「えっと。調子はいいらしいんですけど、機嫌が悪いようです。課長さんがいじめるから?w」

と私が、冗談ぽく言ったら、何も知らない男性職員たちは笑っていたのだけれども、課長は思うところがあったようで。
急に真面目に、最近無理させてごめんねとか、資料ありがとねとか、謝罪と感謝の言葉を述べ始め、最後には今日の協議、よろしくお願いします。とまで言って去っていった。
Sの顔を見ると、マスクの上からでも機嫌がいいのがわかる。
S:「Fellさん、ありがとうございます!」

私も課長がしてくれた行動が嬉しかった。

F:「課長も気にしてくれてたんだね。よかったね^^」

 

そんな話をしながら協議に送り出し、協議から帰ってきたときには、

 

S:「終わりました!」と席に戻ってきていうSに、私は一人拍手をおくり、
F:「はい^^」
と、本当は可愛い付箋と、さりげなく机に置いておくキザな小技を使えばいいのだけれども、

センスのない私はなんの変哲もない付箋にお疲れ様メッセージを書いて、それを貼ったジュースを手渡した。

F:「プレゼントw」
S:「いいんですか?」と、ものすごくありがたそうにSはそのジュースを受け取ってくれて、そのジュースの話やビタミンの話をひとしきりして、
S:「美味しいです!」と笑顔でそのジュースを飲んでくれた。


私ならば、感謝を述べてさっと飲むけれども、

彼女のありがたそうな行動がすごくかわいかったし、私もうれしかったしで、二人で大きく盛り上がっていたんだと思う。

この一連の様子を、もしかしたら18歳が見ていて、私のことを良く思ってくれたのかもしれない、という話にぽにょさんとなった。

 


だけれども、18歳という若さでそこまで人のことを量れるものなのだろうか。
私が18歳の頃は、女の子のお尻を追いかけることしか考えていなかったなぁ。


それに、18歳は朝から「可愛いね」とA島の人達に可愛がられていたのだ。

A島に親近感があるはずなのではないだろうか。


このことについて、ぽにょさんは、
「それは、ネコを可愛いねということと同じでしょ?信用は別問題だよ」という。そこまで18歳が考えるものなのだろうか。

 

 

18歳。
私にとって、今のところ未知なる生き物である。


でもとりあえず、今のところ私は18歳に好かれたかもしれない。